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小林泰三さんの「天獄と地国」を読みました。

あらすじ。

頭上に地面、足下に星空が広がる世界。人々は僅かな資源を分け合い村に暮らしていた。村に住めない者たちは「空賊」となり村々から資源を掠め取るか、空賊の取りこぼしを目当てに彷徨う「落穂拾い」になるしかない。世界の果てにもっと人間の暮らしやすい別天地があると確信した、落穂拾い四人組のリーダー・カムロギは、多くの敵と生き残りを賭けた戦いを繰り返し、楽園をめざす旅を続ける-。傑作短篇の長篇化完全版。

この本は「海を見る人」という短編集に収録されている「天獄と地国」を長編化したものです。
本屋さんで裏面のあらすじを読んだとき、「あー!あれか!」と思い出しました。
短編版を読んだとき、おもしろかった記憶があったので、今回の長編化はとても嬉しいです。

期待どおりのおもしろさでした。
一気読みです。

あらすじに書いてあるとおり、この世界は天と地が逆になってます。
想像するだけで大変な世界ですね(汗)
住みにくそう…。
だからタイトルも獄と国が逆になってるわけですね。

冒頭のあたりは、短編版とほぼ一緒だと思います。
短編ではカリティ(女性)が死んだかどうかは憶えてないですけど…。
どうだったかな?

それ以降は戦いの連続です。
カリティは足元に地がある、所謂普通の住みやすい世界があると確信した。
この世界の各地にも、そのような神話が残されている。

彼女を自分のミスで死なせてしまったカムロギは、彼女の意志を受け継いで、仲間のヨシュア、ナタと共に新世界を探す旅に出る。
旅に出るって言っても、彼らは村にも住めない落穂拾い。
そんな彼らが偶然見つけたのが超兵器アマツミカボシ。

これに乗って空賊をなぎ倒し、いざ新世界があると睨んでる北限へ。
と思ったら、目の前には別の超兵器ワイバーンが。
超兵器どうしの戦いは迫力満点。
彼らは新世界を見つけることができるのでしょうか?

気になったこと。

ウインナー村の長老には騙された。
あれはちょっとした叙述トリックだね。

ナタの過去には泣けた(涙)

アマツミカボシとかラーヴァナとか、ちょいちょい神話の名前が出てくる。
ナタはナタタイシのことか?

あのエンディングはどうなんですかねー。
バッドエンディング?
想像すると、彼らの先祖は普通の世界から、あの天と地が逆転した過酷な世界に追いやられ、閉じ込められたってことだと思うんだけど。
そのへんを詳しく知りたい。
小林さん、続き書いてください。

星は当然5つ☆☆☆☆☆

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小林泰三さんの「人造救世主・ギニーピッグス」を読みました。

あらすじ。

歴史上の偉人たちの遺伝子から生み出された、究極の“超人”たち。彼らは少年少女の姿に恐るべき力と残虐性を秘め、謎の組織MESSIAHのもと暗躍を続けていた。偶然彼らの秘密を知った女子大生ひとみは、友人のジーンと共に彼らに狙われることに。一方“人類の敵”と呼ばれる男のクローンでありながら、敢然と組織に敵対する青年ヴォルフは、ひとみを守ろうと血みどろの死闘を繰り広げるが…!?未曾有のダーク・オペラ、第2弾。

人造救世主シリーズ第二弾です。
基本的に頁数は少なめなので、今回もあまり話しは進んでません。

ヴォルフのクローン元である〇〇〇ーの回想シーンあり。
あのUボートの中で何が行われていたのか?
謎ですねー。

と思っていたら、最後にクローン元が登場したではないですか。
生きてたんすか…。
ってことは、彼がMESSIAHのドン?

でも、ヴォルフは出来損ない。
超能力がないのに、がんばって敵を倒してますよ。
2巻だから、まだまだ謎だらけですね。

何巻くらいまでいくのかなー。
そうそう、ある人物が、じつは悪者だったのは意外でした。

星は3つ☆☆☆

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小林泰三さんの「人造救世主」を読みました。

あらすじ。

女子大生のひとみは、留学生のジーンと共に古都の寺院を訪れていた。そこに西洋風の同じ顔を持つ者たちが突如出現し、建造物を破壊し始め、ひとみ達にも襲いかかる。二人の窮地に現れたのはヴォルフという謎の男。ヴォルフは単騎、その集団に戦いを挑むが…。寺院を破壊する謎の集団の目的は?そして“一桁”と呼ばれるヴォルフの正体とは!?人類の存亡を賭けた未曾有のダーク・オペラシリーズ、ここに開幕。

小林さん初のシリーズもの?
何巻くらいまでの予定か定かではありませんが、どうやら続くようです。

MESSIAHという謎の集団が何か良からぬことを企んでます。
過去の有名人の遺伝子を復活させて、更に人体改造をして超人を造るのです。
ようはクローンですね。
超人だから超能力も使えます。
過去の有名人とは、織田信長とか、そーゆー人達です。
ヴォルフという男が単身MESSIAHに戦いを挑むのですが、ヴォルフも「一桁」と呼ばれるクローンなのです。

でね、このヴォルフが誰の遺伝子から造られたのか、ってことなんですけど…。
この第一巻のラストであっさり明かされてしまいました。
うーん…、もうちょっと引っぱっても良かったのでは?
しかも、自分たちを助けてくれたヴォルフが〇〇〇ーのクローンとわかったとたん、ひとみとジーンの手の平を返した仕打ち。
ひ、ひどい…。

まだ一巻なので、MESSIAHの計画の全貌はわかりません。
これからどうなんるんですかねー。
ヴォルフは人類を救う英雄になれるのかな?
顔は〇〇〇ーだけどね。

この本は角川ホラー文庫なんですけど、内容はライトノベルっぽいですね。
ちょっと小林さんらしくないっちゃないかも。
まー、でも、まだ一巻ですから。

評価は星3つ☆☆☆

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小林泰三さんの「天体の回転について」を読みました。

あらすじ。

科学とは無縁の世界で育った青年はある日、月世界を目指して天空へと伸びる「天橋立」に向かう。そこで待っていたものは、とびきり可愛い謎の少女だった─無垢な青年が抱く、宇宙への憧れとみずみずしい初恋を描いた表題作のほか、ロボット三原則の盲点が引き起こす悲劇を描いた「灰色の車輪」、宇宙論とクトゥルフ神話が驚愕の融合を果たす「時空争奪」など、ヴァラエティに富んだ全8篇収録の傑作ハードSF短篇集。

ハードSF短編集と書かれてますが、そんなにハードでもなかったですね。
小林さんらしく、中にはちょっとグロいのもありましたが。

●天体の回転について

表題作。
この世界には科学を嫌う種と科学を操る種がいて、嫌う種は科学者のことを「妖怪」とまで呼んでいます。
嫌う側の種の、とある青年が主人公。
彼は嫌う種の中では、科学に興味を持つ異端児なのです。
ある日、彼は科学者が作った軌道エレベーターに、意を決して乗り込みます。
その行き着く先は?
宇宙へ行くのに宇宙船を使わず、エレベーターで行くってのがおもしろいですね。
途中、青年の恋もあります。

●灰色の車輪

クルーニャという施設(惑星?)に麗奈という女性がやってきた。
目的は、ここで作られたロボットがロボット三原則に完全に従ってるか、という調査。
麗奈が心配していたとおり、ここのロボットは恋愛感情をもってしまい、お互いに名前まで付け合ってしまった。
悲しい結末で、ちょいと泣けます。

●あの日

宇宙の移動教室が舞台。
小説教室で「わたし」は地球時代の時代小説(ミステリー)を書いている。
「わたし」は地球時代を知らない未来の人だから、物理考証が間違ってばかり。
例えば「血が玉になって、宙を漂う」とか。
その度に先生にダメだしをくらい、書き直す「わたし」。
ちょっとコミカルな内容です。
先生と「わたし」の物理の話しは、難しくてわかにくいものもありました。

●性交体験者

ちょっとエロくてグロいです。
この世界は女性優位の社会で、男性はセックスも許されないという設定。
まー、セックスは犯罪ってことですかね。
男性は奴隷ですな。
いや、奴隷と言うより、女性に〇〇られちゃうんだから、〇〇ですね。
まるで昆虫の世界。
サトっていう女性刑事、そんな世界にいながらも男性に理解があるように見せかけといて、最後にあれですか。

●銀の舟

宇宙人が作ったと言われてる人面岩を調査するため、探査隊が向かった先は…。
落ちはわかりませんでした。
騙されちゃった。

●三〇〇万

全アカルウ諸国中で最強の国家、イジュギダ。
そのイジュギダの王アルカリオスがテラを征服になってきた。
イジュギダは戦闘種族なので、テラの王とガチンコ勝負を挑みます。
でも、テラとイジュギダの戦闘の考えた方がかみ合わず、ちょっと笑えます。

●盗まれた昨日

記憶がテーマ。
映画「メメント」を題材にしてるようです。
この世界では、全人類がメメントの主人公状態になってしまいました。
短期記憶がなくなってしまうです。
そこで考え出されたのが、記憶をメモリに残すという方法。
これによって、通常の生活ができるようになりました。

少女が目覚めると、体が見知らぬ男になっていた。
記憶は自分のもの。
誰かにメモリを交換されてしまったらしい。
少女の、自分の体を取り戻す戦い。
後半に意外なトリックが施されてました。
叙述トリックになるのかな?

●時空争奪

由良は研究室で教授からいろいろな質問をされる。
「川はどこから始まるのか、君は知ってるのかね?」
由良は「水源」と答えるが、教授は「川の始まりは河口に決まってるじゃないか」と言う。
自分の知らないうちに世界が変わってしまってる。
うーん、自分にはちょっとわかりにくかったかも。

8編通して殆ど外れなし。
さすが小林さん、おもしろかったです。
評価は星4つ☆☆☆☆

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プロフィール
HN:
埼玉デューク
性別:
男性
趣味:
読書、音楽、ダーツ
自己紹介:
毎日読書してます。
主なジャンルはミステリー、ホラー、SF、時代小説。

●好きな作家さん。
綾辻行人、有栖川有栖、池波正太郎、今邑彩、井上夢人、歌野晶午、恩田陸、岡嶋二人、加納朋子、京極夏彦、小林泰三、小島正樹、神永学、貴志祐介、島田荘司、竹本健治、貫井徳郎、法月綸太郎、麻耶雄嵩、三津田信三、道尾秀介、他。

●好きな漫画家さん。
魔夜峰央、高橋ヒロシ、冨樫義博、山本貴嗣、他。

音楽は、ほぼ洋楽です。
ロック、パンク、メタル。
中でも、メタリカ最高です。
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